初代Qrio、突然のサ終
この間なんですが、Qrio(初代)がいきなりサービスサポート終了しました。
いや家の鍵がサービス終了ってどういうことだよって話ですよね。
QrioはいわゆるIoTデバイスというやつで、使うためにはQrio自体の(間接的な)インターネット接続が必要です。このネット接続によって、Qrioの強力な遠隔解錠や帰宅時のオート解錠などが使えるようになっているわけですね。
具体的にどうやっているかというと、Qrioのアプリを使って遠くから操作したときに、Qrioのサーバー経由でWiFi接続してあるQrioに指示を出すということをしています。
サービスサポート終了するというのは、このサーバー側であったり、根本的に改修が困難なハードウェア側の不具合によって「もうこの機種はIoTデバイスとして使えません(=いろんな機能のサポートが打ち切られます)」ということを意味しています。
細かい理屈を抜きにしてもアプリが使えなくなる時点でわたしたちにできることがなくなるので、もうこうなったらただのデカい鍵です。
しかもそのときのQrioの対応が私にとってちょっと心証悪くてですね、
Qrio Smart Lock(Q-SL1)のオーナーアカウントご利用者様へ、別途セールのご案内をさせていただく予定です。是非ご検討下さい。
(冒頭のURLより引用)
いやいやいや勝手に終了しといてVer.2を買ってネ☆って身勝手だろうという感想です。理屈はわかるが気に入らない、というやつです。
しかもこれのおかげで「IoTデバイスはこういう欠点が…」という言説になったのも悲しいところで、これはたぶんQrioが特におかしいというだけだと思いました。だって他のIoT、例えばプリンタのサーバー接続系サービス(ネットプリントとか)とかもう何年も何年も同じコピー機・同じアプリで稼働してるものありますし。
というわけで私はQrioに見切りをつけ、似たようなスマートロックデバイスであるSesameを導入しました。
Sesame5 vs. Qrio(初代)
特にPro版にする理由はなかったのでSesame 5を買いました。
スマートロックなんて鍵を開閉したり、遠くから同じく開閉するくらいの機能しかないじゃないですか。
てことはQrioを買おうがSesameを買おうが同じ様に見えますが、体感ちょっと違ったのでそのレビューを書いてみます。
セッティングの簡単さ
互角かなと思います。要するにテープを剥がしてくっつけて開閉の状態を覚えさせるだけなので、ここは迷うポイントがありません。
…が、Qrio比でもうちょっとなんとかならんのかなと思ったのがSesameの説明書のデザイン。
これはオプション品(後述)の説明書なので本体のとは図がちょっと違うんですが、デザインが全く一緒なので紹介します。
ご覧の通り文字がほぼありません。あるのは図だけ。いやーこれがちょっとわかりにくいんですよ。ほんとに。
この手のは「ノンバーバルデザイン」といって、文字を一切使わない代わりに読み手の行動デザインとか図だけで与えたい情報を伝えるというデザインの方法なんですが、割と失敗してると思います。
ノンバーバルデザインって上手くいかないと「文字が書いてない不親切説明」にしかならないのですが、この説明書は全くわからないとは言わないにしても「見たときにどういう意味なのかちょっと考えないといけない」という点で結構たいへんな説明書になっています。
スマホからの手動解錠、オートロック
スマホからの手動解錠、つまりアプリを開いてボタンを押すタイプの解錠なんですが、
体感として接続スピードはQrioのほうが速いです。
動画があればわかりやすいところを文章で恐縮なのですが、
まずアプリを立ち上げるとこのグレーの状態からスタートします。
接続が終わるとこんなふうに色がつきます(今回は閉じた状態なので赤)。
この接続に2〜3秒待たされました。
Qrioは記憶に残っていない以上そこまで気になっていない、というか即座に開閉していた覚えがあって、かつ、同じ家でQrio使っていましたので、これはSesame側の弱いところになるのかなと思います。
お出かけから帰ったときの自動解錠
これは私の環境が悪いのかもしれませんがQrioもSesameも基本的に打率が悪いです。
帰ってきたときの自動解錠というのはつまり、
- GPSを使って現在位置をQrio本体にお知らせして、
- 一定の半径内に入ったときに解錠準備して、
- 目の前に来たらBluetooth通信して開場する
というものなのですが、どうもこのステップの1と2がうまく機能しにくいらしく、Qrioで3割くらい、Sesameはまともに動いてないという体たらくでした。
この解錠システム、実のところ「GPSの座標をこっそりQrioに教える」ということをしないといけないので、アプリがバックグランド起動(完全に終了しないで後ろで仕事してる状態)をキープしないといけないんですよね。
たぶんこれが私の環境で悪さしてるせいかなと思っています。特に私のスマホはノートンが入っているので、クリーンアップか何かと干渉してアプリを終了させられたかもしれません。
いずれにせよ!私の環境ではちょっと期待できる動作をしてくれませんでした。
ちなみに、Sesameはこの自動解錠機能(手ぶら解錠)の設定画面に飛ぶボタンが異様な位置にあります(画面下を更にスクロールした下端)。
…これほんとどうしてこうなったんだ。
オプション装備
さて、QrioにもSesameにもオプション装備がございます。とくにSesameは単品だと最低限の機能しかなく、オプション品として色々導入することで機能の補完ができる仕組みになっています。
たとえばこちらのオートロック用デバイス(画像右側の白いやつ)。鍵をしめたときに本体と短距離通信して勝手に施錠してくれます。特筆することもなく、素直に動作してくれます。
このオートロック用デバイスはQrioだと標準搭載なのですが、Sesameだとオプション(980円)になっています。
このほか、指紋認証とApple IDやSuicaなどのIC通信の2パターンで解錠するオプションパーツもあります。
実際に取り付けしてみたのがこちら。下側の◯に指やSuicaを当てると解錠します。
ただし、このデバイス、指紋に関してはiPhoneのTouch IDと比べたらだいぶ頼りなくて、登録した指紋なのに中々開かないという問題があります。
ただし、そういう場合は諦めてSuicaを当てるとか、ちょっと強引ですが中指の指紋を色んな向きで大量に登録するとかすればパスできますので、まぁ対処できる欠点です。
Qrioの場合、「Qrio Pad」というカード認証とパスコード認証するやつはあります。
しかし、今のところ指紋認証するやつは出ていないので、ここはSesameに一日の長があります。
価格面
これまで機能面ではちょっとQrioのほうが便利なようなそうでもないようなとなんともいえない比較を続けていましたが、私がSesameを選んだ理由って、Qrioへの怒りもそうですが、価格面が大きいんですよ。
私の場合「オートロック」と「指紋認証」をあとからオプションで買っているので、それを合わせた価格をQrioと比較すると以下の通りです。
機能 | Qrio | Sesame |
---|---|---|
本体 | 25,300円 | 9,980円 |
オートロック | 無料(標準搭載) | 980円 |
指紋orカード認証 | 22,000円 | 2,980円 |
はい、ご覧の通りQrioやたら高いんですよ。
その上で、冒頭に書いたように突然サービスサポート終了した実績があるんですよ。もうこれ私からしたらリスクの塊にしかならないんですよね。
そしてここまで書いてきたように、Sesameは機能面や動作でちょっと頼りない部分はあれど概ね良好。となったら2倍以上の価格差があるSesameをわざわざ選ぶ選択肢はおのずと消滅するわけですね。
おわりに
以上、Qrioに対する不満からSesameに引っ越しした人の話でした。
とりとめのない記事ではあるのですが、スマートロックどうしようかなと思っている人の一助になれば幸いです。そうそう、Switchbotもスマートロック出してますけど、私はSwitchbot使ったこと無いので今回は対象外にしました。