この2つ何が違うの?という解説もこもってますの。
絵師様イラストレーター様にうちの子描いてほしい!
健全にオタク活動を楽しんでいると、自分の好きなキャラであったり自分の一次創作のキャラクターについて、この人の絵柄による美麗なイラストがほしい!と思うことがあります。
特に3Dアバターを作る文化があるメタバースのユーザーたちにそれは顕著らしく、「自分のアバターを絵心ある人にお願いしてイラストに
起こしたい!」という需要が一定数存在するそうです。
こちらは実際3ヶ月で10件ほど依頼をしているメタバースユーザーかつヘビーskebユーザーさんの記事。
そうなると、複数あるイラスト依頼の仲介をしてくれるサービスの一体何が違うのという疑問に突き当たります。
本記事では、特にその最大手であるskebとSKIMA の2種類に的を当てて話をしてみましょう。
基本的に健全なクライアントワークはSKIMAだと思う
いきなり結論を見出しの通り書いてしまいました。仕事を依頼して、目的のものを仕上げるというクライアントワークが健全に成立しているのは明らかにSKIMAです。skebはもっと別の何かに思えます。
その理由について、掘り下げていきましょう。
コミッションとは
skebやSKIMAのようなサイトにつく「コミッションサービス」。その意味について確認しておきましょう。
まずコミッションという言葉の定義なのですが、イラストソフト「CLIP STUDIO」の開発元であるセルシスの記事によると、
「COMMISSION(コミッション)」とは、イラストを個人に有料で依頼する海外の文化のことです。
(コミッションサービスでイラストを仕事にしよう! | イラスト・マンガ描き方ナビ より引用)
とあります。したがって、「イラストレーターの人に絵を有料で依頼する」のならばskebやSKIMAがなくとも成立することになりますね。ここで「コミッションサービス」となると、そのやり取りを仲介して手数料を取るプラットフォームを提供する会社(サービス提供者)ということになります。
この点においてはskebもSKIMAも適切にコミッションサービスであると言えそうです。
しかし、適切なクライアントワークという意味で評価すると、SKIMAと比べてskebはかなり特殊なサービスであると言わざるを得ません。
クライアントワークとは
クライアントワークなんてきざな横文字使っちゃいましたけど、ごく普通のお仕事の依頼における常識的なやり取りを想像してください。
- こういうものが欲しいんですが、できますか?
- 図案をまとめました、こういうのが希望ですか?
- いいえ、もっとこんな感じで
- わかりました、修正案を出します
みたいなのを何度も何度も行って、依頼する側(クライアント)は求めるものを、そして制作者側はそれに応じた対価を受け取り、みんながうれしい、というのが本来の仕事の在り方です。
のですが、skebはそこのところ制作者側の立場が圧倒的に強くなるように設計されています。
skebは依頼者の立場が弱い
先に述べた通り、skebはクライアント、つまり依頼者側の立場が弱く設定されています。
リテイク禁止
かなり驚きですがskebはリテイク(修正・書き直しの依頼)ができません。
最初に金額とテーマの依頼だけやりとりして、あとは制作者側が受け取ったテーマに応じて自由に作るのを待つしかありません。 なんか思ったのと違うものが納品されようがなんだろうが、依頼者側はそこに文句を言う権限がありません。
「コミッション」ではあるが「クライアントワーク」になりえない最も顕著な理由かと思います。
SNSのダイレクトメッセージなどのやり取り禁止
さらに驚きなのは途中経過の打ち合わせ禁止です。ゆえにSNSのメッセージとかを使うのは明確に禁止されています。
依頼者側としてもリテイク禁止とあわせて大変もどかしいのですが、これは制作者側にも同じことが言えて、
一切やり取りができないので「これ、どういうことだ…」と思うことがあっても確認することができません。
結果的に、最初の依頼一発ですべてが決まるという結構ぶっとんだ特徴を持っているサービスであるといえます。
つまりskebを使うということは
他にも色々特殊な規則があるんですが、skebでイラストレーターさんに絵を発注すると何が来るのか正確にわからないというのが正直なところかと思います。
だって途中の確認も修正も納品物のチェックも行えないんですから。ガチャとは言いませんが「こういうのください」と言ったら、注文の精度に合わせてなんか出てくるくらいのサービスで居たほうが良いかと思います。
skebじゃできない依頼仕事は、SKIMAでしよう
でも、細かいやり取りをして作品を詰めていくやり取りをしたい、そのやり取りに初めてお金を払いたいというような、純粋なクライアントワークをご希望の場合、単なる有料お題箱としてしか機能していないskebを使うのはあまりにもミスマッチです。
そこで出てくるのがコミッションサービスの「SKIMA」。イラスト以外にも色々ありますが、一旦イラストに関してSKIMAの使用感をまとめていきましょう。
相談とリテイクができる
当たり前だろと言われそうですが、SKIMA自体にデータを貼付可能なメッセージ機能が搭載されており、これを利用できます。
- 資料の画像をまとめて送る
- 上がってきたラフ画がイメージとずれてないか確認して、返信する
- 案が3つ上がってきたので、気に入ったのを1つ選ぶ
といった、まあまあお仕事では当たり前な仕事内容のすり合わせを行うことができます。SKIMA本体のメッセージが圧倒的に便利なので、SNSのメッセージでやりとりするようなことはないかと思います。
金額差分を詳細に設定できる
例えばイラストなんかだとよくあるパターンが、描くものの難易度によって金額が変化するパターン。
- 基本 20,000円
- 人物1人追加 8,000円
- 背景追加 10,000円
のような感じです。ほしい形に合わせてトッピングを変更できるといった感じですね。
実は、skebは価格設定を細かくできないという特徴があり、「最低金額」「おまかせ金額」しかありません。 先程書いた「skebはリテイクができない」と合わせると、依頼者からしたら背景も人物もちゃんと書かれる保証がないのでかなり制作者側に有利な契約になっていると言えます。
skebとSKIMAの決定的違い まとめ
本来的な有償依頼、つまり「コミッション」と聞いて想像する姿はSKIMAにあります。よって、想像しているものが綿密な打ち合わせやリテイクを含むものである場合、絶対にSKIMAを使うべきです。
多くの方がコミッションと聞いて想像するのはSKIMAの方ではないでしょうか。それくらいskebの規則はなかなかトリッキーなものに仕上がっているということです。
でもそれはskebが悪いのかというとそうではなくて、そもそもそういう投げ銭お題募集サイトだよ、と思いっきりガイドラインに書いてあります。
Skeb(スケブ)とは、クライアント(あなたのファン)が有償でリクエスト(お題)を送り、クリエイター(あなた)がイラストやボイスを製作すると報酬がもらえるサービスです。
端的に言えば投げ銭付お題募集サイトです。
(skeb 規約とポリシー より引用)
そこを勘違いして「コミッションサイトだ!」と突撃した結果、思ったものが得られなかったり、DMでこっそりやりとりしてバレてしょっぴかれたり、変なマナーを作ろうとしたり、といった残念な状態になっているであろう人が後を絶たないようです。
なので、ここで改めて差異を比較してみた次第です。お金と言葉のやり取りをしっかりやりたいなら、SKIMA 使いましょうね。